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ツツガムシ病

On 2002年12月24日, in 症例, by 佐藤

【症例 1】 45歳 男性

既往歴: 特記すべきことなし

現病歴:
2002年12月24日頃から悪寒が出現。25日には39度の高熱があり。12月26日当院初めて受診。初診時37.6度の発熱、頭痛、咽頭発赤軽度あり。右そけい部に圧痛のあるやや大きいリンパ節を認める(約1週間前からあったとのこと)。発疹はほとんど認めず(?)。インフルエンザ検査(-) リンパ節炎疑いにて抗生剤フロモックスを投与する。28日再度受診。その日は36度の平熱であったが、夜には38度の高熱があったとのこと。咽頭発赤増強、胸部、背部に淡い発疹を認め、リンパ節の下部に刺し口を認める。これによりツツガムシ病と診断する。

11月12日には仕事で深い山中に行った。虫に刺された記憶がある。

検査データ(12月28日):
WBC 2200(stab 3% seg 62% lymph 24%)RBC 474万 Hb 14.5 Plat 12.6万 CRP 1.63(±) 赤沈 1時間値 10 2時間値 26

経過:
ミノマイシン12月28日から点滴、内服計200mg/日を1月3日まで使用する。29日には解熱し、発疹、リンパ節腫大も徐々に改善した。

 

【症例 2】 66歳 男性

既往歴: C型肝炎(数年前インターフェロン治療を受けている)
胃潰瘍の既往歴なし
仕事で山の近くに行ったことがあるが、虫に刺された記憶なし。

現病歴:
2003年11月19日頃から気分不良、食欲不振、悪寒、微熱、下痢、咽頭痛、強い口渇感等の症状が出現する。11月21日当院初めて受診。37.6度の微熱あり。咽頭痛が著明。全身に薄い発疹を認める。初診時「感染性胃腸炎」を疑い加療する。22日、37.7度の微熱、食欲不振が強く、舌白苔が著明、発疹は同様に認める。血液検査を行い、感染症として抗生物質(メイアクト)を投与する。翌日の24日(祝日)38度以上の高熱あり、当院再度受診する。この時発疹増強。25日初めてツツガムシ病様疾患を疑い、ミノマイシン200mg点滴する。26日本人、家族の希望あり県立中央病院内科を紹介する。

経過:
中央病院皮膚科にて「ツツガムシ病」の疑いがもたれ、ミノマイシン200mg/日 を9日間投与された。中央初診時には発熱なし。食欲不振と嘔気が続き、GOT、GPTの上昇もあり消化器科紹介精査にて「胃潰瘍」が見つかる。12月中旬には無症状となる。

検査データ(11月22日):
WBC 7300(stab 13% 、seg 62%、lymph 16%) RBC 511万 Hb 17.0 Plat 15.2万 赤沈 1時間値 10、2時間値 30 CRP 8.33(4+) GOT 65 GPT 57 LDH 440 γGTP 42 検尿 蛋白(+) 糖(-) 潜血(3+) 白血球(-)

検査データ(中央病院):
中央病院初診時(11月26日)
WBC 13600(stab 7.4% seg 60.4% lymph 18.4%) RBC 515万 Hb 17.2 Plat 15.6万 CRP 15.6 GOT 112 GPT 94 LDH 685
(12月18日) のデータ
WBC 6200(stab 0.4% seg 44.4% lymph 47.2%) RBC 427万 Hb 14.2 Plat 25.5万 CRP 0.3 GOT 30 GPT 25 LDH 231

血清学的検査:

11月26日 12月18日 1月26日
ギリアムIgG 160倍 2560倍 320倍
ギリアムIgM 10倍 80倍 10倍
カトーIgG 80倍 2560倍 320倍
カトーIgM 80倍 160倍 20倍
カープIgG 160倍 2560倍 320倍
カープIgM 40倍 1280倍 80倍

 

古典的ツツガムシ病ではギリアム、カトー、カープの3型がある。他に新型ツツガムシの2型がある。

 

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