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第9回お花見ウォーキング(神山町)

On 2011年5月8日, in 行事, by 佐藤

名東郡医師会では毎年県内でお花見を楽しみながらウォーキングする遠足を開催している。今年は神山町の「岳人の森」で見られるシャクナゲをメインに、豪快な「上り藤」で有名な神光寺、自然の地形を生かした「もり植物園」を歩きながら見て回った。5月8日23名の参加者で、国府町の藤田産婦人科を8時30分に出発した。貸し切りバスに乗り、約30分後に神光寺に到着。ここは新しくできた養瀬トンネルを抜けたすぐ近くにある。その上り藤は主幹道路からくっきりと全体を見ることができた。残念ながらピークを過ぎたその花は色あせた感じで、遠くから見たのではやや寂し感があった。バスを近くにに停めてもらい、歩いてそのお寺に向かった。この日は快晴で周囲の山の緑が美しく、その中に野生の美しいフジも見ることができた。道端にはタンポポやスミレが可憐に咲いていて、春爛漫な雰囲気を楽しむことができた。そのお寺には上り藤以外にも満開の淡いピンク色のシャクナゲや赤色のオンツツジそしてお寺の境内には白色のシャガの花がたくさんあって、紫色の藤の花と豪華な共演があった。肝心の上り藤は全体的には花が多く散っていたが、まだ一部では美しい姿を保っていた。藤の花は2種類あり、下に大きく垂れ下がる花(30cm以上)と一つ、一つの花が比較的大きくて濃い紫色の花がブドウ状に房を形成しているようなものがあった。まだ花の匂いもかぐわしく、大きな木の下では晴れた強い日差しをソフトにしてくれる癒しの空間を与えてくれた。また、一般に藤の花は紫色が多いが、そこには純白の花が咲いている藤の木もあった。それも見事に満開に花を咲かせていた。なお、春真っ盛りのこの日には近くの民家では大輪の美しい赤紫色のボタンの花も見ることができた。

その後神山の道の駅で休憩をとってから、もり植物園に行った。ここは駐車場がないので、下の道路にバスを停めて坂道を歩いてそこに向かった。まず目についたのが「メタセコイア」の大きな木。その看板には「日本一大きなメタセコイア」と書かれていた。40m以上の大木で、見上げるとツリー状の美しい姿があった。もしもこれをあの「クリスマスツリー」にして飾れば、日本一大きくて美しいツリーになるのではと一人勝手な連想を抱くほどであった。そのすぐ上には民家があり、ここが亡くなった杜性次さんのお家らしい。94歳で亡くなるまでここの植物園を手作りで開発し(平成5年に設立)、無料で開放していたことには頭が下がる思いである。その後は長男の方が遺志を継いでそこを管理しているらしい。決して見栄えのする植物園ではないが、その種類の多さ(約900種類を育てた)、個人の植物園にしてはその広々とした空間(2.6ヘクタール)に驚かされた。ここでは一番有名なのが黄色のレンギョウの花が咲く頃である。今年もその「レンギョウ祭り」の看板がまだ掲げられていた。しかし残念ながらその花はシーズンを終え、ほとんど見ることが出来なかった。多く咲いていた花は「オオデマリ」で、数多くの白色の花をつけた木が目立っていた。また花が黄色く咲いたヤマブキの木もあちこちにあった。

その植物園から約30分間山を上っていくと「岳人の森」キャンプ場がある。ここは山田勲さん(62歳)が23歳のころから山を開拓し、シャクナゲ1500本を植栽したという山岳植物園でもある。バスが到着すると、早速御主人の山田さんが園内を詳しく案内してくださった。今年は例年になく花の開花が遅く、本来なら連休中に満開になるはずが、まだ3,4分咲き程度であると。しかしシャクナゲの森に入っていくと、一部ではあるが美しく咲き誇った花があった。新鮮な淡い色からやや濃いピンク色まで可憐な花を堪能することができた。他にも絶滅危惧種の「シコクカッコソウ」や「クリンソウ」の貴重な花をたくさん見ることができた。しかし一番残念なのは、その山で一番広く群生している「ヒメシャガ」が全く咲いていなかったことである。後半の森の中で1輪だけひっそりと咲いている花があった。山田さんはこれが今年一番の開花であると説明してくれた。私はシャクナゲとヒメシャガのそれぞれ満開のころ訪れたことがあるが、それは甲乙つけがたい素晴らしい景観であった。その他、白い花を咲かせたヤマブキの木が多くあった。園内を1周した後山田さんが新しく創設した食事処「観月茶屋」にて薬膳料理をいただいた。日本料理を修行してきた息子さんが美味しい昼食を提供してくれた。遊山箱のような3重重ねの容器には和食のいろいろな料理がぎっしりと詰まっていた。その中には山田さんがロープを使って山の岩肌から採取してきた貴重な食材「岩茸」があり、その珍味を堪能した。そしてその箱には薄紫色のミツバツツジの花が、この店独特のわらびもちのお盆には白いコデマリの花が添えられたりしていた。その料理の味付け、ボリューム、新鮮さ、独創性に満足してその森を後にした。

最後にそこから約40分バスに乗って12番札所焼山寺に行った。その日団体のお遍路さんは見られなかったが、大勢の参拝客がいた。ここでは高地の故かまだ1本の八重桜が満開に咲いていた。また広い境内には白や赤のボタンの花も多く咲いていた。お寺を参拝した後そこから少し下った所にある田中食堂(藤田会長の知り合いの店)でうどんや草餅等のお接待を受け、お土産も頂いた。そこはお接待専用という店で、非常に元気というかパワーあふれるようなおばちゃん3人が我々を歓待してくれた。それで十分過ぎるほど満腹となって、午後4時過ぎには帰りついた。この日は快晴の天気に恵まれあちこちでいろいろな花を観賞し、美味しい薬膳料理とお接待を受け、眼の保養が十分できお腹も十二分に満足させてくれた。

 

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