調査と研究

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マラソン中の突然死

●マラソン前後の血液検査…肝臓、膵臓関連酵素

肝臓機能検査としてGOT(AST)、GPT(ALT)が有名でありますが、今回のマラソン前後においては「骨格筋」に含まれる酵素異常としてGOT、GPT、LDHの変化が現われます。よって骨格筋とは関係のない酵素異常としてコリンエステラーゼに注目しました。また、膵臓検査として血清アミラーゼの変化をみました。しかしながらコリンエステラーゼが正確な肝臓機能、血清アミラーゼが正確な膵臓機能を表現しているとはいいきれません(他の因子の影響も考えられる)。

両者は食事の変化、日内変動があまり認められないということで採血時間による違いを無視して比較しました。

1)ハーフマラソン
  塩江ハーフ前
03.11.01
塩江ハーフ後
03.11.03
うずしお前
04.02.28
うずしお後
04.03.01
コリンエステラーゼ 280 265 275 255
血清アミラーゼ 103 102 106 99
2)フルマラソン
  南阿波前
003.11.15
南阿波後
03.11.17
瀬戸内海前
03.11.29
瀬戸内海後
03.12.01
口熊野前
04.01.31
口熊野後
04.02.02
コリンエス
テラーゼ
294 248 280 252 283 247
血清
アミラーゼ
104 103 107 104 108 104
3)100kmマラソン

アミノ酸サプリメント服用なし

  奥熊野前
03.04.25
奥熊野後
03.04.28
飛騨前
03.05.23
飛騨後
03.05.26
コリンエステラーゼ 277 226 279 215
血清アミラーゼ 99 87 107 86

アミノ酸サプリメント服用あり

  にちなん前
03.06.21
にちなん後
03.06.23
村岡前
03.09.26
村岡後
03.09.29
四万十川前
03.10.17
四万十川後
03.10.20
コリンエス
テラーゼ
270 223 274 225 282 227
血清
アミラーゼ
106 85 114 83 107 84
4)マラソン前後の血液検査・・・肝臓、膵臓関連

1.コリンエステラーゼはマラソン後全ての大会において低下している。その低下度は100kmマラソンがハーフやフルマラソンより大きい。

2.コリンエステラーゼの低下は100kmマラソンにおいてアミノ酸サプリメントの服用有無で大きな差異はみられない。

3.血清アミラーゼも全ての大会後に低下している。その低下度はハーフやフルマラソンにおいては軽度であるが、100kmマラソンではそれらよりも明らかに低下している。

4.血清アミラーゼの低下も100kmマラソンにおいてアミノ酸サプリメントの服用有無で大きな差異はみられない。

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