調査と研究

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マラソン中の突然死

●運動負荷試験

【方法】

A 単一水準定量負荷試験  
@ マスター2段階試験(Master’s test)  
Masterにより提唱されたもので、現在でも最も普及した運動負荷試験である。これは決められた高さの2段式階段を昇降するもので、シングルマスター、ダブルマスターなどある。年齢、性、体重で決められた回数を決められた速度で行う。シングルマスターは1分30秒で行い、ダブルマスターは3分間で行う。

B 多段階運動負荷試験  
現在広く用いられるようになった症候限界性の多段階運動負荷試験である。症候限界性とは、何らかの自覚症状が出現するまで運動を続けることを意味しており、多段階負荷とは2分ないし3分ごとに負荷量を増加していく負荷方法を意味する。通常、トレッドミルないしエルゴメーターが用いられる。
@ トレッドミル  
歩行ないしジョギングという最も生理的な運動負荷であり、特別な練習は不要で、ベルトのスピードと傾斜を変えることにより低い負荷から、最大負荷量までもっていける点で極めて有用である。
A 自転車エルゴメーター  
機械的ないし電気的に制動のかかる自転車で、負荷量は通常wattないし、kpm/分の単位で表される。これは自転車にかかる重り(キロポンド、kpで表す)とスピード(m/分)の積である。例えば、1kpmの重さで、1分間50回転させると300kpm/分であるが、これは約50wattに相当する。

【運動負荷試験の方法の特徴】
  マスター2階段 トレッドミル エルゴメーター
運動様式に対する慣れ ○(高齢者で難) ○○ ○(女性、高齢者で難)
最大運動強度 ○○○ ○○

運動中測定の容易性

心電図
血圧
採血・静脈注射

 

○(モニターが必要)
×
×

 

○○
○○

 

○○○
○○○
○○○

転倒の危険性 あり あり なし
価格 安価 高価 安価
重さ、大きさ 軽い、小さい 重い、大きい 軽い、小さい
多人数を検査すること 可能 困難 可能
最も適した使われ方 スクリーニング 冠動脈疾患の診断 運動耐容量評価
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