調査と研究

調査と研究

マラソン中の突然死

●マラソン中の突然死症例

年齢 大会 日時 診断 倒れた地点 倒れた時間
25歳 男性 諏訪湖マラソン
ハーフマラソン
2003.10.26 急性心不全? ゴール直後 1時間12分
51歳 男性 諏訪湖マラソン
ハーフマラソン
2003.10.26 急性心不全? ゴール手前
数10m
1時間54分
29歳 男性 黒部名水
ロードレース
10km
2003.5.25 急性心不全 ゴール直後 1時間3分
53秒
44歳 男性 鹿沼さつきマラソン
ハーフマラソン
2003.5.11 急性虚血性
心不全
ゴール手前
3km
1時間45分?
44歳 男性 ふくやまマラソン
5km
2003.2.23 急性心不全 2km後  
58歳 男性 福知山
フルマラソン
2002.11.23 心筋梗塞 38km 4時間30分
59歳 男性 福知山
フルマラソン
2002.11.23 心筋梗塞 22km 2時間45分
58歳 男性 名古屋シティ
10km
2002.11.23 心筋梗塞 7.5km 45分
51歳 男性 丹波高原
ロードレース
30km
2002.11.3 心室細動 ゴール直前 2時間20分頃
45歳 男性 おらが村
心臓やぶり
フルマラソン
2002.9.14 心筋梗塞の
疑い
35km スタートから
約3時間
35歳 男性 京都シティ
ハーフマラソン
2001.3.10 心筋梗塞の
疑い
ゴール直後 1時間39分

上のデータは新聞の掲載記事や私が大会主催者に電話して聞いた情報です。

1)その他

@2000年11月の丹波高原(30kmレース?)で30代の女性ランナーの死亡あり
A2002年12月8日 ホノルルマラソンにて日系人ランナー?がゴール直後に死亡、タイムは約5時間(未確認情報)

2)助かった症例

2002年11月24日尼崎シティマラソンにて65歳男性ランナーがゴール直後に心肺停止状態になったが、約2分後医師による心肺蘇生により救命された。

2003年11月30日の瀬戸内海タートルマラソンにてハーフ参加の26歳の男性が午前11時15分ごろ(スタートから1時間35分頃)ゴール手前数100mの地点で転倒し、意識がなくなった。救急車で運ばれたが、病院によると、一時、心停止になったという(朝日新聞の記事より)。主催者に確認すると、倒れる直前沿道の人に手を振っていた状態だったとのこと。消防署がすぐ近くにあったため、早急に病院に搬送されたとのことである。

最近の症例についても言えることですが、この中のランナー達は初心者ではなく、走暦10年、20年といったベテランランナーであったり、一流のエリートランナーでないにしてもそれなりのスピードランナーが含まれています。よってそのようなランナーは年に何回もマラソン大会に参加しているわけですから何故その時の大会に限って倒れたのかが問題であり、私も興味があります。  2003年10月の第15回諏訪湖マラソン(ハーフマラソン)において2人のランナーが亡くなりました。新聞等の情報によりますと、お二人ともベテランランナーであり、特に25歳の方はN大学陸上部出身であり今大会においても総合15位(年代別9位)と優秀な成績でゴールしたそうです。この大会については51歳の方は過去14回すべて完走しておりますが、25歳の方は初参加とのことでした。お二人ともゴール前後で倒れたため、直ちに心肺蘇生術が行われましたが、不幸な結果に終わりました。  
この2症例に特筆すべきことはゴール前後に倒れていること、ベテランランナーであること、直ちに蘇生術が開始されたにもかかわらず救命できなかったこと、などです。25歳の方はタイムが1時間12分とかなりのハイペースで走られており、その日体調が悪ければこのような走りはできないと思います。51歳の方も1時間54分でほぼゴール近くまで達しており、まずまずのペースで走っていたようです。51歳のYさんの過去の記録を調べますと、昨年は1時間57分13秒、2年前は1時間56分11秒であり、今年のタイムはほぼ同じような時間でのゴールが予想されます。その他の情報によりますと、25歳の方は諏訪湖マラソンの2週間前の別のハーフマラソンで優勝しており、諏訪湖マラソンにおいては静岡県から友人と2人で交代して車を長距離運転して来られたようです。

マラソン中の突然死としては、潜在性の心疾患が運動により悪化して引き起こされる心臓突然死とそうでない場合(基礎疾患がないケース)の2種類があると思います。

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